0-知的生産の技術

決断に悩むときは・・・

「決断に悩むときは、三日悩むといい。最初の一日は、自分の考えを肯定して悩み、二日目は、徹底的に否定してみる。そして、最後の日は、その二つをぶつける。そこまで悩んだ決断には、結果が自ずとついてくるものだ」

真山仁さんの『レッドゾーン』という小説の中で、赤間惣一朗氏の言葉として紹介されています。

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こういう中庸思考って大切ですね。

人の思考は偏りがちです。

心に火が付いたときは、その事柄のプラスのことしか思いつきません。隠れたマイナスの要素については一切配慮がなくなります。

逆に落ち込んだときは、リスクの部分にしか目に付かず、新しい可能性という測定しようのない価値が置き去りにされます。

人の思考力は限られているので、この両方の要素に同時に目を向けるのは存外に難しいのでしょう。

中庸思考で大切なのは両方を「ほどほど」に考えることではありません。両方を徹底的に考えることです。その徹底性を通した上で出てくるものには価値があり、また自分自身の納得感もあるでしょう。こうして決断した上で起きる結果には、後悔がそれほど混じり込まないのではないかと思います。

さらに言えば、この順番もまた大切です。マイナスから入らず、プラスから入るのは「アイデア」を考える上でも重要だと新刊の中で書きました。

マイナスから入ってしまえば、新しい芽は全て摘み取られてしまうことは必定です。全ての人間が完璧でないように、全てのアイデアも完璧ではありません。減点方式で採点していけば、イノベーティブなアイデアほど落第してしまうでしょう。

まず、プラスの要素を広げていく。そして、自分自身でそれに真正面から反論をぶつける。最後のその両方を合わせて、決断を行う。時に、ジンテーゼとも呼べる新しい考えが出てくるのは、こういう行為からでしょう。偏った思考だけでは実用性のあるアイデアはなかなか生まれてきません。

ちなみに文章を書く上でも同じ考え方が使えると思います。まずは、自分自身の考えにひたすら肯定的になって筆を進め、次に強力な批判者の立場で読み返し、文章をチェックする。そうして出来上がった文章の強度は確かなものになっていると思います。

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