書斎について

先日「【書評】あたらしい書斎(いしたにまさき)」というエントリーを書いた。

その際、考えていたことをかなり端折って文章にした。おかげで、書斎について書きたい気持ちが車のエンジンの内圧のようにぐんぐんと高まっている。

そうだ、書斎について書こう。

今回はそういうお話。

書斎についてのお話

渡部昇一さんの『知的生活の方法』に、次のような文章が出てくる。

(前略)知的生活とは絶えず本を買いつづける生活である。したがって知的生活の重要な部分は、本の置き場の確保ということに向かわざるをえないのである。

これを読んだときは、「なるほどねぇ〜」ぐらいの気持ちだった。

立花隆さんも大量の本の保管に関する苦労話をよく書かれていて、それも面白く読んでいた。他人事として。

しかし、今では私も物書きの端くれである。だから、ちょっと油断しているとすぐにこうなる。

増え続ける本

物書きは本の上に本を組み立てる。過去の知見を土台にし、時には批判し、時には援用し、この世にない本を形作っていく。

一冊書き終えれば、次の本が待っている。なんといっても職業的物書きは、本を書き続けて成立するのだ。

だから、本はただひたすらに増えていく。

もちろん、必要のなくなった本は捨ててしまえばよい。クールでシンプルなルールだ。

問題は、「必要がない」というのをどのように判断するのか。これが存外に難しい。

誰かから質問がくるかもしれない。続編の要望が出てくるかもしれない。別の企画で使える要素が残っているかもしれない。

こんなことを考えれば、本を捨てることはできなくなる。

もちろん、単に私が本に囲まれている生活が好き、という側面があることも否定はしない。

とりあえず

ともかく、今まで私が読み/聞きしてきた「書斎」の話は、知的好奇心を満足させるためのものでしかなかった。ペンギンが走る速度はどのくらいか?世界で5番目に高い山はどれか?と似たような話である。

が、今は、私の現実的な問題として「書斎」に取り組まなければいけない。「書斎の形に関する思索は物書きの仕事の一つである」というのは、たぶんそれほど言いすぎなことではないだろう。

皆さんがパソコンを新調すれば、まずアプリケーションのインストールと環境設定から始めるだろう。そうして、必要なものを揃え、使いやすい環境を整える。その有無が、どれだけ仕事に影響を与えるかは改めて言うまでもない。

それと同じように、作業場所を兼ねる書斎については、十分な注意が割り振られないければならない。少なくとも、私はそう思う。

というわけで、しばらく「書斎論」についての連載を書いてみることにしよう。

連載名は、・・・・・・「書斎の国から」「海辺の書斎」「書斎のあるき方」「書斎2.0」「これからの書斎の話をしよう」「超書斎法」「灼眼の書斎」「物書きするのに書斎はひつよう」などなど考えられるが、ここはあえて「365日の書斎」ということにしておく。なかなか響きがよい。

ちなみに、どんな話の流れになるのかは、現時点でまったく不明である。ある意味で乞うご期待だ。

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