7-本の紹介

【書評】ビジネスパーソンのための 結婚を後悔しない50のリスト(大塚寿)

先日、Twitterで右の子、左の子が話題になっていた。

ネタとしては面白いステレオタイプだが、現実は、まあ、なんだ、その・・・とりあえず言えるのは彼女を選ぶのは難しいということだ。ときメモ(たとえが古い)のようにはいかない。これが一生の伴侶とも呼べる結婚相手なら、その難しさはより一層増すことは想像に難くない。

私は、名言・格言の類が好きなのだが、結婚についての格言には辛辣なものが多い。いわく「結婚は鳥かごのようなものだ」とか「結婚は人生の墓場である」とか、そんな言葉たちだ。一体全体どこに希望を見出せばいいのだろうか。これでは日本が少子化に向かうのも仕方がない。なんてくだらないことまで浮かんでくる。

そんな格言の中でも、フランスの思想家ジョゼフ・ジュベールの言葉は私の好みである。

その女が男であったなら、友に選んでいたであろうような女でなければ、これを妻として選んではならない。

これは極めて的を射た格言であるように思える。ピンポイントで、的の中心を射貫いている。少なくとも私の実体験においては、「たしかに、そうです」と頷ける。

あるいは『星の王子様』の作者であるサン=テグジュペリの

愛するとは、ただお互いを見ることではなく、
同じ方向を見ることなのです。

という言葉もなかなか素敵である。そういえば両者ともフランス人だ。何かしら文化的なつながりがあるのかもしれない。

それはさておき、この二つの言葉から感じ取れることがある。

  • 一つは、夫婦関係は人間関係であるということ。
  • もう一つは、結婚は共同作業であるということ。

「あたりまえじゃん」

ほんとに?

本当に、上のことを当たり前だと思っているならば、以下の本は特に必要ないだろう。

ビジネスパーソンのための 結婚を後悔しない50のリスト
ビジネスパーソンのための 結婚を後悔しない50のリスト 大塚 寿

ダイヤモンド社 2012-09-28
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※献本ありがとうございます。

概要

タイトルと著者から想像できるように本書は、「50のリスト」シリーズの第三弾だ。第一弾第二弾とも当ブログで紹介しているのでご存じの人も多いかもしれない。

構成自体はこれまでのシリーズとまったく同じ。多くの人が経験した実際の「後悔」を50にまとめあげ、それぞれに対処法を掲げる、という形になっている。

章立ては以下の通り。

第1章 結婚で何より大切にしたいこと
第2章 「相手を知る」ために押さえておくこと
第3章 ベクトルを合わせるためにやっておくこと
第4章 幸せな家庭をつくるために知っておくこと
第5章 「お互いの家族」と上手に付き合うために必要なこと

結婚とマネジメント

著者は、序章の中で「結婚はマネジメントである」と強く言い切っている。

結婚を知識と技術でマネジメントする、と聞くと違和感を覚えたり、首をかしげたり、強い憤りを感じたりする人もいるかもしれない。

確かに、マネジメントという言葉を「管理」(コントロール)という意味合いで解釈すれば、違和感は残る。しかし、ドラッカーが使ったような意味合いでマネジメントを捉えれば、すんなりとこの言葉は腑に落ちる。

この両者の類似性についての考察は割愛するが、たとえばドラッカーが「マネジメントは万能薬ではなく、挑戦であり仕事だ」と指摘したことは、著者が結婚に「修正主義」が必要、と説いていることと重なってくる。

お互いが結婚生活に、あるいは相手に何を求めているのかを、そしてその中で自分はどのような貢献ができるのかをすり合わせ続けないとうまくいくはずがない。なんといっても基本的には他人なのだから。

我が家の、暗黙の、家訓

ちなみに、私も結婚して、そろそろ・・・えっと、何年だっけ・・・まあいいや、そこそこ長い年月が経っているが、大がかりなケンカなどほとんど無く過ごしてきている。もちろん私が、USBケーブルよりも長い堪忍袋の緒を持っているからではない。

いくつかの決め事があるからだ。

  • 相手の価値観を尊重し、自分の価値観を押しつけない
  • 「ありがとう」と「ごめんね」は意識的に口に出す
  • 怒りはため込まない。できるだけ思っていることを言うようにする
  • 相手の感情をまず受け入れる。相手の怒りに、反論から入らない
  • 晩ご飯は(なるべく)一緒に食べる

別に「家訓」として明文化されているわけではないが、お互いがこうしたことを意識している。

加えて、「相手の地雷(ワード)を知っておく」というのも重要だ。誰しも人は心に傷や闇を抱えているもので、うかつな気持ちでそこに入り込んではいけない。ただ、地雷は踏んでみないと地雷とはわからない、という難点はある。まあ、一度踏んだ地雷を二度踏まないように心がけることは大切だ。

たぶん、上にあげたことは別に夫婦関係だけに限定されるものではないだろう。いくつかは組織の中でも使えるはずだ。なんといっても、人間と人間の関係という点では一致しているのだから。

さいごに

最後に一つだけ。

著者は

そもそも「嫌なら別れる」という発想では経営などできません。

と書いている。が、当方はお互いに「嫌なら別れる」というスタンスで結婚生活を続けている。

もちろん、これはお互いが歩み寄る行為を積み重ねて、その上でどうしても嫌であったら、という前提が付いているが。

経営でも、必至に市場に適合する努力をし、それでも市場から受け入れられなければ退場するのが資本主義のルールだ。それをねじ曲げて、政府が手助けし、「経営を継続するためだけに経営する」という状況になってしまえば、悪影響はさまざまなところに及んでしまう。

たぶん、結婚も似たようなところがあるのではないか。であれば、「(最終的に)どうしても嫌なら別れる」というスタンスは持っておいてよいかもしれない。

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