4-僕らの生存戦略

バカなアリと、はぐれる生き方

最近、新しい生き方・働き方に関する本をいくつか読んでいる。

そういう本には、「来るべき新しい時代とそれにフィットする生き方」という分析・提案型と、「私はこういう風に生きてきました。生きています」という実体験型の二種類がある。

そもそもの役割が違うので、「どちらの本が良いか」ということは言えない。が、どちらにしても何かしら得ることはある。

さて、今回は最近手にしたいくつかの「実体験型」の本をいくつか並べてみよう。すでに書評で紹介した本もあるが、改めて並べてみると、また違ったものが見えてくるかもしれない。

とりあえず本を並べる

「ノマドワーカーという生き方」

ノマドワーカーという生き方
ノマドワーカーという生き方 立花 岳志

東洋経済新報社 2012-06-01
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プロブロガーとして生きることを選択した著者が、そのライフスタイルと戦略、及びいくつかのテクニックを紹介してくれている。プロブロガーというのは、つまり、プロなブロガーということだ。

「ニートの歩き方」

ニートの歩き方 ――お金がなくても楽しく暮らすためのインターネット活用法
ニートの歩き方 ――お金がなくても楽しく暮らすためのインターネット活用法 pha

技術評論社 2012-08-03
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ニートがニートらしく、充実して(暇つぶしに事欠かないでというぐらいの意味)生きていくための方法が紹介されている。本書が使うニートという言葉は、NEETと同じ問題意識を有しているのかどうかはわからないが、「会社勤め」ではない生き方が提示されていることは確かだ。

「もっと自由に働きたい」

もっと自由に働きたい (U25サバイバル・マニュアル) (U25 SURVIVAL MANUAL SERIES)
もっと自由に働きたい (U25サバイバル・マニュアル) (U25 SURVIVAL MANUAL SERIES) 家入 一真

ディスカヴァー・トゥエンティワン 2012-08-26
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いろいろやってきた人の本。ひきこもりから社長になって、「経営には向いていない」と潔くその職を退任し、新しい会社やプロジェクトを立ち上げられている。その著者が若者向けにメッセージを綴った内容。

点と線と

この人々に共通することは一体なんだろうか。

Twitterのアカウントを持っている?→だったら今すぐTwitterのアカウントを取得しよう!

ということではない。もちろん、持っていた方がいろいろ楽しいことが増えると思うが、それはまた別の話だ。

上にあげた三人に共通しているのは、「変化」していることだ。

  • 長年の会社勤めからプロブロガーに
  • 会社員からニートへ
  • 引きこもりから社長へ

誰も一直線に今の状態にたどり着いてはいない。一度乗ればぐーっと上の方まで運んでくれるエレベーターには乗っていない。よっこらしょ、と何かしらの変化を経て、今の状態にたどり着いている。

注目されている人は、どうしてもその時の状態の「点」で捉えられやすい。しかし、その後ろに続いている「線」を忘れてはいけない。そして、その線はまっすぐ延びた直線ではないのかもしれない。

これは逆からも考えられる。

22歳のあなたがいるとして、その時の自分の状態が一生続いていくわけではないということだ。10年後の自分は、思いもよらない状態になっているかもしれない。なにせ3650日もあるのだ。何がどう変わるのか、予想することは不可能に近い。そして、それは現代においてより強い傾向として現れているような気がする。

  • 今がひどく悪くたって、変わっているかもしれない。
  • 今がそこそこ普通だって、変わっているかもしれない。
  • 今がかなり良くたって、変わっているかもしれない。

そう思うと、目の前の風景が少し変わって見えてくるのではないだろうか。

環境との付き合い方

もう一つ、注目したいのが「環境」との適応だ。

  • 「独立したい」という思いが強くなって、ブログを軸にフリーランスになる
  • 既存の「会社組織」に適応できず、ニートな生き方を(仕方なくにせよ)始める
  • 同じく会社勤めが続かず、自分で働きやすい会社を興す

人が既存の「環境」に直面したとき、そこに適応するのが一般的なやり方だ。それが一番コストがかからない場合が多い。「郷に入っては、郷に従え」の言葉は、確かに正しい。

ただ、どうしても適応できない人が存在することも確かだ。何せ日本国内でも1億人以上の人間がいるのだ。そして、それぞれに少しずつ違った個性が宿っている。誰かが決してピザを食べられないように、他の誰かは組織に馴染まない。

一つの価値観から測定すれば、それは「劣っている」ということなのだろう。社会適応性、協調性ともにゼロ。そんなハンコがバンッと押される。

それはある面では仕方がない。ただ、そういう人たちに生きる価値がない、というわけでもないのは確かなことだ。当たり前である。

既存の「環境」にどうしても馴染めない・納得感が得られないのであれば、新しい環境を自分で作るというオプションもある。それは簡単なことではないのだろうけども、生き延びるためには必要なことだ。社会不適合者が生き延びるための、たった一つの冴えたやり方。それが新しい環境を自分で作ってしまうことだ。

ある意味で、環境に働きかけ、自分なりの工夫を加えて、人生をより生きやすくする行為だとも言える。ん?ライフハックの定義っぽいな。まあ、いいや。

さいごに

私は、「日本の労働者よ、フリーランスたれ!」と仰々しく旗を振るつもりはない。そういうのはあくまで「オプション」の一つである。

問題はそういうオプションがとりやすい社会なのかどうかだ。

もしそれがとりやすいのならば、社会の中に一定数の「はぐれもの」が存在できるようになる。それは、アリ社会における、「バカな個体」のような働きをするだろう。

みんなが通っているのとは違うルートを選択してしまい、うっかりもっと効率的なルートを発見してしまう。そんなアリが存在するおかげで、__そのアリは日常的にはかなり役立たず扱いされているに違いないが__、アリ社会は常に最適化の可能性が開かれていることになる。
※「働かないアリに意義がある」参照

人生においても、社会全体においても、じっと目を近づけすぎてしまうと見えなくなってしまうものは多い。

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