物書き生活と道具箱

365日の書斎:#03 書斎の「装置」について

前回は、「書斎」という言葉について考えてみました。

簡単に振り返ると、

「情報を仕入れ、それを咀嚼し、外に向けて発信するための装置が備わった区切られた空間」

という場所が「書斎」と呼べそうです。

書斎じゃないもの

少しイメージしてみてください。

小さな部屋にいっぱいの本棚だけが並んでいる。
──これは書庫と呼ぶのがふさわしいでしょう。

小さな部屋にお気に入りの椅子と机だけが置いてある。
──これはあきらかに作業部屋です。

では、本棚と机と椅子が、だだっぴろい空き地のど真ん中にぽつんと置いてある。
──なんと呼べばよいのかわかりませんが、落ち着かないことは確かです。

これらの装置がバラバラに存在していたのでは、「書斎」とは呼べません。書斎は、こうしたものが有機的に組み合わさったものの総体です。

書斎の装置:インプット

では、その「装置」にはどのようなものがあるでしょうか。

書斎で行われる活動に注目して考えてみましょう。

まずは、インプットを補助する装置としての「本棚」があります。

この本棚は、一般的に使われている本棚よりもかなり広い意味を持っています。つまり、書籍を置いておくだけの場所ではない、ということです。

実際に部屋に配置する場合は、「本棚」と呼称されている商品を買ってくることになるでしょうから、「本棚」と呼ぶのが通りがよいのですが、書籍だけではなく、書類や自分の書いたノート、DVD・CDなど、インプットに関係するものであれば何でもありなスペースであるはずです。

また、「書斎」は物理空間ですが、情報は物理空間だけに限定されるわけではありません。例えばGmailに仕事の資料が入っていることもあるでしょう。Evernoteにウェブスクラップが貯まっていることもあります。これもインプットを補助する装置です。

それらをまとめれば、「拡張された本棚」と呼ぶこともできるでしょうし、あるいは「メディアボックス」という(まるで日本メーカーPCについてくるアプリケーションのような)名前で呼ぶこともできるかもしれません。

ともかく、インプットを行うためには、自分が参考にする(あるいは参照する)情報が、適切に配置された装置が必要です。もちろん、この「適切に」というのが非常に難題なわけですが、今回は立ち入りません。

書斎の装置:アウトプット

もう一つがアウトプットを生み出すための装置。つまりは作業場所ですね。

基本的には、机(+椅子)が想定されるでしょう。そこにノートとペンがあれば、最低限の知的活動は行えます。そういう意味では、机のサイズはそれほど重要視する必要はありません。ノートと本が広げられる程度のスペースがあれば十分、ということもあるでしょう。

あるいは、ノートパソコンが過不足無く置けるだけで十分というスタイルもあり得ます。

結局の所、机のサイズは自分がどのように作業を進めるのかによって決まります。広い机=偉い、という発想はあまり意味がありません。
※私の場合は、ノートパソコンと紙のノートが広げられないと作業が進めにくいので、わりと広めの机を求めています。

当然、机や椅子という装置だけではなく、上記のようなアナログノート、パソコン、タブレットなどのツールもここに分類されます。

最近では、他者の助けを借りず、パソコンなどの端末を使い、外に向けて発信できる環境が整いつつありますが、それについては別項で考えてみましょう。

書斎の装置:?

もう一つ、書斎で行われる活動があります。

先ほどは「咀嚼」という言葉でざっくりまとめましたが、前回のエントリーでは「インプットとアウトプットの間にあるごちゃごちゃした過程」という言葉を使った部分です。

この過程をいかに進めるか、あるいはどういう装置があれば進めやすいかは、結構ハードな問題です。

少なくとも、「じっくりと考え事をする」ためには、その場所が(ある程度)静かな空間であることは必要でしょう。書斎が「区切られた空間」であることの理由の一つです。

でも、はたしてそれで十分なのかは簡単に答えが出せません。なにせ(目に見ることができない)脳内の活動なのです。

これについては、また今後の連載の中で取り組んでみます。

さいごに

徐々に、書斎のイメージが輪郭線として立ち上がってきたのではないでしょうか。

今後は、それぞれの装置について一つずつ考えてみます。

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