物書き生活と道具箱

365日の書斎:#07 本棚の運用について

前回は少し脱線しましたので、今回は第五回の続きです。本棚の運用について考えてみましょう。

ちなみに、この場合の「運用」は、開発や設計に対する言葉として使っていて

「システムなどが正常に稼動し続けられるような状態を維持すること」

というニュアンスです。

さて、これまでと同様に、「本棚」をシェルフ(殻)とライブラリー(機能)に分けてアプローチしてみることにしましょう。

シェルフの運用

シェルフの運用は、それほど難しい話ではありません。

まず、前提として「本は増えていく」を設定させてください。時間と共に「読みたい本」「読んだ本」が増加する、ということです。

「自己増殖しているのではないか?」

と疑いを掛けたくなるぐらい、本棚の本というのは増えていきます。もちろん、自分で買っているわけですが、あまりその意識はありません。本を買って帰って、あるいは本が家に届いたその瞬間、「あっ、置く場所ないや」と気がつくわけです。

話が脱線しました。

本は増えていく。

すると、シェルフの運用はどうなるでしょうか。

  1. すでに存在している本棚に収まる分だけを所有する
  2. 本の増加に合わせて本棚を増やす

この二つです。

一応理想は二つ目ですが、どうしても限界があります。もし無尽蔵にお金が引き出せる銀行口座を持っていれば、際限なく本の増加に本棚を寄り添わせることが可能ですが、それはドリームストーリーというものです。

結局の所、どこかにリミットが存在します。

そういう時、昔は「捨てる」「寄贈する」「売る」というようなライブラリーからの廃棄しか選択肢がありませんでしたが、現在は自炊という手段があります。つまりシェルフからは取り除くがライブラリーには残せる、ということです。

あるいは、そもそもシェルフに置きたくない本は、電子書籍としてライブラリーに加える、ということも考えられます。

つまり、物理的スペースの限界が本棚の限界を決めていた環境が一変してしまったわけです。

実に多様性があり、実に複雑なのが現代の本棚運用です。もちろん、電子のライブラリーなんてまったく無視するという手法もありでしょうが、一般的には紙の本棚と、電子書籍の本棚を合わせた__私風に言えば__ハイブリッドな運用を考えていく必要があるでしょう。

ライブラリーの運用

シェルフの運用は、本が増えたときにどう対応するか、という話でした。この話はライブラリーの運用の要素も含まれてきます。

たとえば、1000冊入る本棚に1000冊本が入っているとして、1001冊目を購入したとき、どの一冊を「切り捨てるのか」、これを考えなければいけません。これは形式ではなく中身の話になってきます。

あるいは、1000冊そのものは変わっていなくても、自分の興味・関心が変化することも考えられます。そういう時にどうするのか。それもまた「本棚の運用」の要素です。

ライブラリーは、単に同じ状態を維持していればよいのか、それとも新陳代謝を行う必要があるのか。

これもまた難しい問題で、「これが答えです」と簡単に提示できるものではありません。

さいごに

今回は、「本棚の運用」における課題・問題点をざっと洗い出してみました。

で、現段階でこれに何かしらの解を提示することはできません。それを提示するためには、視点を一歩引いてみて、「書斎」の機能の全体像を眺めてみることが必要です。

「ライブラリ」は、自分が必要とする情報に即座にアクセスできる環境を提供してくれればよいわけですが、はたしてそれだけで充分なのか、というのが問題です。それがわからないと、本棚について方向性を見定めることはできません。

というわけで、次回に続きます。

▼こんな一冊も:

あたらしい書斎
あたらしい書斎 いしたにまさき

インプレスジャパン 2012-09-21
売り上げランキング : 41006

Amazonで詳しく見る by G-Tools

センセイの書斎—イラストルポ「本」のある仕事場 (河出文庫)
センセイの書斎---イラストルポ「本」のある仕事場 (河出文庫) 内澤 旬子

河出書房新社 2011-01-06
売り上げランキング : 165378

Amazonで詳しく見る by G-Tools

知的生産の技術 (岩波新書)
知的生産の技術 (岩波新書) 梅棹 忠夫

岩波書店 1969-07-21
売り上げランキング : 3625

Amazonで詳しく見る by G-Tools

知的生活の方法 (講談社現代新書 436)
知的生活の方法 (講談社現代新書 436) 渡部 昇一

講談社 1976-04-23
売り上げランキング : 48389

Amazonで詳しく見る by G-Tools

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です