「アプリアイデアを発想する方法6種(2012年Final版)」(石井力重の活動報告)
で、新しいアプリのアイデア創出法の一つとして「熟成路線」へのアプローチが紹介されていました。
既存のアプリに「楽しさ」を加えることで、新しいアプリを考え出すという方法です。アイデアを既存の要素の新しい組み合わせとして捉えれば、「既存のアプリ」×「ゲーム要素」な掛け算をやってみるということでしょう。
これを読みながら、ぼんやりと表題のようなことを考えていました。つまり、ロボットの皮膚のように無味乾燥になりがちなタスク管理にゲーム的要素を付け足せばどうなるだろうか、と。
まずは軽めに
掛け算といっても、一様ではありません。比重に違いを付けることができます。つまり、(水酸化ナトリウム水溶液30%、食塩水70%)とか(水酸化ナトリウム水溶液60%、食塩水40%)ということです。
最初は軽めにゲーム要素を付け足した場合を考えてみましょう。10% 〜 20%といったところでしょうか。
まずぱっと思いつくのが「ポイント制度」です。つまり、タスク一つ消化するたびに、1ポイントゲットすることができ、そのポイントが一定数貯まれば「ご褒美」がもらえるというもの。ご褒美は、「自分へのご褒美」的に贅沢な出費をすることを許可してもよいですし、美女画像とか、もだえそうな猫の画像とか、情報的満足感を与えるものでもよいでしょう。
アレンジとして、タスクに難易度を付け、ゲットできるポイントに高低を設けることもできそうです。
これを土台にすると、「レベル制度」も考えられます。基本的には上と同じ。もらえるポイントを「経験値」と捉えれば分かりやすいでしょうか。経験値が一定数貯まれば、レベルアップして「何か」が変わる、というもの。RPGだとパラメータですが、現実世界への転用には無理があります。使えるならば「称号」でしょうか。
タスク処理初心者から始まって、プロタスク処理者へと昇格していくのです。あるいは、もっとワイルドにタスク少尉とかタスク中佐とかやってもいいかもしれません。ちなみに、これも情報的満足感の一種です。
あるいは、括りをもう少し細かくして、タスクのカテゴリーごとにレベルを設定してもよいでしょう。ブログ更新LV.2とか。
これは、「そのタスクに使った時間」を別の形で表現しているだけです。投下した時間がそのまま技術の向上につながるわけではないにしても、レベルアップしているという表現はあながち間違いというわけでもないでしょう。
ぐっとゲームらしく
さて「ゲーム要素」の比重を上げます。60%以上で、どちらかといえばゲームに属するようなものです。
「タスクハンター」
プレイヤーは「タスクハンター」です。宿屋だか酒場だかに行くと、「今日のタスク依頼一覧」が表示されます(もちろん、それを設定するのは自分ですが)。で、あなたは困っている人を助けるような気持ちで、自分のタスクを処理し、依頼を遂行します。
うまくできたらゴールドがもらえ、アバターの着替えなどに使用することができます。
※某ハンターゲームのように武器を作れるともっとハマり感が生まれるでしょうが、いささか難しいですね。
「タスクシミュレーション」
プロジェクトを一つの地域に置き換え、タスクを進めることで、全国制覇を目指していくゲーム。見積もり時間と実際にかかった時間の差異とか、締切りよりも早いのか遅いのかで、その地域の攻略速度が変わってくる、という要素も。
「タスクパズル」
すいません。とりあえず、タイトルだけ思いついたけど、中身はまったく思い浮かばず。誰か考えてください。
「タスククエスト」
(これはあるな)
別の方向
上にあげたものは、日常のタスクの処理をゲーム化したものです。
これとは別に、「タスク管理のやり方」「タスク管理入門」といったものを、ゲームを通して学べる、みたいなコンテンツがあってもおもしろいかもしれません。
さいごに
実際、この分野はいろいろ研究しがいがあると思います。
クールなUIのタスク管理アプリなんかもありますが、いくらUIがクールでも実際にタスクを処理しようという意欲が湧いてこなければ、停電しているときのシャンデリアのように意味がありません。
逆に言えば、タスクを消化しようという意欲が湧いてくるのであれば、何でも使ってみればよいでしょう。
あとは、ややタブーとも言える萌え系ですね。「萌えよ、タスク」とかは炎上してそうでイヤですが、まあニッチなユーザーをキャッチできるNEWカテゴリーかと思います。
▼こんな一冊も:
Evernoteとアナログノートによる ハイブリッド発想術 (デジタル仕事術) |
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倉下 忠憲
技術評論社 2012-06-30 |
拝見いたしました。
タスクを消化したいという意欲が湧いてくる、ということで、ゲーム性+人に見られているという意識とかも意欲を掻き立ててくれそうな感じがしました。他のユーザーと共有するオンラインゲームみたいなものだと尚更いいのかなと。アプリに限らず、日常にゲーム的感覚で自分ルールを作って暮らしてみるのも、発想法の一つの応用でよさそうです!
>@career20aさん
コメントありがとうございます。オンラインゲームという視点は無かったです。それは確かに強力な意欲かき立てになるかもしれませんね。面白いものが出来そうな気がします。