発想にも個人的傾向がある、ということ

先日、「タスク管理にゲーム要素を入れるとすると」というエントリーを書きました。ちょっとした発想の「中身」の紹介です。

その記事へのコメントツイートで、以下のようなものをいただきました。

エッヘン!と威張るようなことではありません。ようは、私の発想の傾向がこっちの方向に偏っている、ということです。

発想を出すためには

なんか、こう、ものすごい発想法があったとします。「たったこれだけで発想がぐんぐん生まれる驚異の法!」とか、そういうフレーズで宣伝されるようなものです。それを仮に10万円支払って身につけたとしましょう。

小学1年生が。

果たして、どんな結果が出てくるでしょうか。たとえば、彼が地震対策について、高度なアニメの3D処理について、カクテルコンクールに応募する新メニューについて、新しいアイデアを導き出すことができるでしょうか。

いささか難しそうです。はっきり言えることは、根本的にインプットが足りていません。

インプットが足りていないが故に、固定観念が生成されず、根源的な問いを発することができるのが子どもの特徴ですが、だからといって、それだけでアイデアが生まれるというものではないでしょう。あくまで問いかけはトリガーであり、それだけでアイデア空間を満たせるわけではありません。

何かを出すためには、インプットが必要なのです。

発想の傾向

これを逆の方から眺めると、普段のインプット、あるいはそれまで蓄積してきたインプットが、その人の発想の傾向を生み出すことが見て取れます。

私の場合であれば、「どうしたら面白くなるか?」(ゲーム的要素)「どうしたら、もっと売れるか?」(小売業的要素)「どうしたら、より効率的に管理できるか?」(店長的要素)の傾向が良く出てきます。それについて、ずっと考えてきたからですし、それに関するインプットも多いからです。

対して、「物理学的にどんな意味を持つのか?」とか「ビジュアル的な意味はどのようなものか?」とか「どうすれば美味しくなるか?」ということは、あまり思い浮かびません。これらの文章を書き留めておいて、トリガーワードにすれば、何かしらの疑問を提出することはできますが、あまり有益な発想は出てこないかもしれません。インプットが不足しているからです。

また、「ゲーム的要素」でも、全方位をカバーしているわけではありません。頭で紹介した記事へのコメントで、

他のユーザーと共有するオンラインゲームみたいなものだと尚更いいのかなと。

というものをいただきました。なるほど、と思わず膝を打ちたくなる意見です。確かに、タスク管理をゲーム的に捉えて、知り合いの人との「共同作業」(クエストのようなもの)にすれば、タスク処理促進効果はきっと高まります。

たとえばシミュレーション系のゲームにして、それぞれの人が自分の達成したい目標に関するプロジェクトを一つの地域に見立てる。で、タスクの進捗具合によって地域の攻略度が変わるようにする。すると、Aさん、Bさん、はそれぞれタスクをきちんと消化して、攻略が進んでいるのに、僕はちょっと遅れている。これはやらないと!という気分になる、ということは考えられるでしょう。

社会的動物である人間にとって、そういう要素は金銭的な報酬よりも強い動機付けを生むかもしれません。

私は、普段オンラインゲームというのを一切やらないので(家訓で禁止されているのです)、そもそもこういう発想が出てきませんでした。私の中でのゲームとは、家庭用ゲームか、ボードゲーム、あたりなのです。

こういうのも傾向と言ってよいでしょう。

さいごに

その人のバックグランドが発想の傾向を生む。だからこそ、発想は「個性的」になります。偉いも偉くないも関係ありません。IQ的なものも気にする必要がありません。ある程度の年月を生き延びてきたのならば、その人は独自の発想の視点とインプットを身につけていることでしょう。

逆に言えば、バックグラウンドが近いばかり人を集めてブレストしてもあまり効果がありません。三人寄れば文殊の知恵と言いますが、どのような三人を集めるのかが結構鍵だったりします。日本の企業でブレストの効果が上がりにくいのも・・・、いや、それはブレストが根本的に理解されていないことの方が大きいのかもしれませんね。

ともかく、発想法は、視点に多様性を加えたり、インプットをより引き出しやすくする効果しかありません。
※その辺は『ハイブリッド発想術』で詳しく触れました。 

あとは、自分なりの視点をいかに持つのか、良質の体験やインプットをいかに蓄積できるのかが、発想の勝負になってくるかと思います。

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