執筆法

三題噺エクササイズ

昨日紹介した「Rashitaの部屋 #004」では、創作活動に関する面白い話がいくつも出てきました。

個人的に、おっ、と思ったのが三題噺についてです。出演された皆さんが(私も含め)、三題噺で物語を書いたことがある、という点に興味を惹かれました。

三題噺とは?

ちなみに、ウィキペディア大先生によると「三題噺」は以下のような意味です。

三題噺(さんだいばなし。三題話、三題咄とも)とは、落語の形態の一つで、寄席で演じる際に観客に適当な言葉・題目を出させ、そうして出された題目3つを折り込んで即興で演じる落語である。

3つの言葉やお題目をお客さんからもらい、即興でそのフレーズが入った落語を演じる。ある意味で、物語のインプロビゼーションと言えるかもしれません。

これがなかなか、一つの知的な作業として楽しめるのです。私も高校時代によくやっていました。

休み時間に友人にお題を三つもらい、地理の授業中なんかに原稿用紙1枚(200字)でストーリーをまとめる、というものです。もちろん、授業の内容は上の空ですが、選択と集中の理論からいって、それは仕方ありません。尊い犠牲の上に、知的な営みが築かれていくのです。

さて、冗談はこれまでにして、この「三題噺」は物語のエクササイズとして有効なのではないかと思います。

小説を書く際には、原稿用紙とペン以外にもいろいろなものが必要です。語彙であったり、世界設定であったり、心理描写であったりと、さまざまですが、やはりストーリーテリングの力は欠かせません。物語を前にドライブしていく力、と言い換えてもよいでしょう。

これを無くしては「物語」とは呼べないかもしれません(前衛的小説は別にして)。

で、語彙や世界設定をまったく横に置いて、純粋にストーリーテリングの力を鍛えられるのがこの「三題噺」ではないかと思うわけです。

メリット

まず、出発点が完全にゼロではない、という点が大きいでしょう。連想のきっかけが準備されているので、イメージ力が弱くても物語を立ち上げることができます。いまさら力説するほどのことでもありませんが、ゼロからイチを作るのと、イチに何かを加えていくのでは、必要なパワーの大きさが違います。

そういう意味で、お題を与えられている方が「物語り」しやすいと言えるでしょう。練習にぴったりです。

また、そこで求められているのは、3つのキーワードが含まれている物語であるかどうか、という点です。コアとなるメッセージとか、斬新なテーマは必要ありません。概して、そういう要素のことを考え始めると、物語を書く敷居が高くなります。

初心者に必要なのは、やはり手を動かすことでしょう。完成品の要求が低い点は、心理的な敷居を下げる効果もあります。これもまた練習に最適です。

また、落語と違って本当の意味で「即興」にやる必要はありません。何度でもリライトできるのが文章の良いところです。原稿用紙の場合、一度ミスると最初から書き直しというハメに陥るので、ある意味で即興的ですが、身近にキーボードとエディタがある現代では、気軽な気持ちで書き始めることができるでしょう。

キーワードの収集法

三題噺が物語りの練習にぴったりだとして、そのキーワードをどのように集めましょうか。

一番簡単なのが、身近にいる人にお題をもらうことです。さすがに普通に日本語を話せる人ならば、3つのキーワードを選ぶことに困難は生じないでしょう。ちょっと意地悪な人ならば、全然関連性のない言葉を選んでくれるはずです。もちろん、その方が(知的作業として)面白いことは間違いありません。

もしかしたら、日本語を覚えたばかりの外国人の方に3つのキーワードをもらってみてもいいかもしれません。そういう知り合いが身近にいたら、という前提が必要ですが。

一年中「リア充爆発しろ」とつぶやいているぐらい身近に人がいない場合は、辞書をパラパラとめくってみるとよいでしょう。ちょっと電子辞書だと難しいかもしれませんので、紙の辞書を使ってください。手持ちが無くても、図書館には必ず置いてあります。

あるいは、Twitterのタイムラインから適当に3つつぶやきを選んでみてもよいでしょう。そういうbotを自作してもよいかもしれません。

あるいはEvernoteにストックしてあるノートから言葉を選んでもよいでしょう。

ともかく、方法はいろいろあります。

さいごに

基本的に、本を多く読み、人生の体験を増やし、せっせと文章を書くことが、文章書きには必要でしょう。

大きな物語をイメージしながら、結局何も手に付いていないという人は、文章筋力が衰えないように、三題噺で他愛もない話を綴ってみると良いかもしれません。

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シゴタノ!の記事で紹介したように、

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