「デイリータスクリスト」は、一種の概念であり、何か具体的なツールを直接的に指すものではありません。
ですから、それを使う場合、何らかのツールに実装する必要があります。インスタンスを生成するわけです。
たとえば、どんなツールが使えるでしょうか。
実際、いろいろな可能性が考えられます。
今回はデジアナの両方から、その可能性を探ってみましょう。
アナログツール
まず思いつくのは、手帳です。
しかし、小さい手帳はあまりデイリータスクリスト向きではありません。一日に書き込む量が多いからです。せめて、一日1ページの形になっているのがよいでしょう。
ちなみに、大学ノートでも手帳と同じ運用が可能です。
ノートパッド・リーガルパッド
またノートパッドを使うこともできます。
私はリーガルパッドと呼ばれる黄色いペーパーに罫線が引かれたものをよく使います。
一日1ページを割り当て、終わればペリペリとめくって明日に備える。運用は簡単です。
情報カード
ノートパッドと似ていますが、大きめの情報カードを使ってもよいでしょう。
情報カードの束を持ち歩けばノート代わりにもなるので一石二鳥です。
アナログツールの要点
ある程度自由に書き込むことができ、また持ち歩くのに適切なサイズであれば、デイリータスクリスト用のツールとして使うことができます。
もちろん、一日中動かないというのならば、多少大きめの手帳(やノート)を使っても問題ありません。
ただ、一日の伴走者になるツールなので、机の上に常時開いておける程度のサイズである方が望ましいでしょう。
デジタル
デジタルの場合、ぶっちゃけ何でもOKです。
- テキストエディタ
- アウトライナー
- タスク管理ツール
- 表計算ソフト
あたりが使えるでしょう。
要点は、ツールの形式というよりも、「すぐに参照できるか」という所です。どれだけ高性能でも、気がついた時にすぐにチェックできなければデイリータスクリストの効果はありません。
できれば、ずっと開いておけるツールが望ましいです。また、外出先でも確認できるように、スマートフォンと連携できればいうことなしです。
つまり、クラウドツールか、あるいはDropboxなどを介してファイルを同期できるものであればベストでしょう。
あと、上には挙げませんでしたが、Evernoteもデイリータスクリストとして使用可能です。
ツールごとの得意分野
ツール自身に優劣はないものの、得手不得手は確かにあります。
まず作成時の手間。一年が52週として、一週間に5日稼働するならば、一年間に260個のデイリータスクリストを作成しなければいけません。
アナログツールの場合、これが多少手間です。手書きが好き、という方ならばともかく、そうでないと「なんだか面倒くさいな」と思うかもしれません。基本的に一日のやることはルーチンが多いので、その部分だけを定型化しておいて、コピーして使い回す、という手段で多少手間を削減できるかもしれません。
その点、デジタルツールは非常に容易にこの使い回しができます。
単純にテキストをコピーしたり、ファイルを複製すれば同じものがすぐに作れます。また、タスク管理ツールであればリピート機能を使うことによって、手間をほとんどかけることなくデイリータスクリストを作成することもできます。
この点において、デジタルツールが圧倒的に優位です。
ただ、デイリータスクリストは日中参照してナンボなツールです。紙の手帳が開けない、という環境はほとんどないでしょうが、パソコンを開けないという場合なら十分にありそうです。その意味で、アナログツールを選択せざるを得ない場合もあるでしょう。
また、アナログツールの場合、自分勝手に内容を拡張していくこともできます。マクロの知識もプログラミングの素養も必要ありません。エクセルの使い方か、最悪物差しとペンさえあれば、フォーマットを自由に変更することができます。
このあたりも違いと言えるでしょう。
さいごに
今回は実装するツールについて考えてみました。
さまざまな点を考慮すれば、クラウドなデジタルツールの総合得点が一番高いでしょう。しかし、世の中思い通りに行くことと、行かないことがあります。その点で、いくつかのツールの選択肢を知っておくことは有効です。
一応基本的な概念の根っこさえ押さえておけば、どのツールを使っても「デイリータスクリスト」の効果は得られると思います。
次回は、一歩引いた視点から、このデイリータスクリストについて考えてみましょう。
▼こんな一冊も:
クラウド時代のハイブリッド手帳術 |
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倉下忠憲
シーアンドアール研究所 2011-09-23 |
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