新刊発売記念、というわけではありませんが、今回の本を書いたときに使ったツール群を整理しておきたいと思います。
ソーシャル時代のハイブリッド読書術 |
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倉下 忠憲
シーアンドアール研究所 2013-03-26 |
一冊の本を作る上では、以下の3つの工程を経ていきます。
- 企画案を固める
- 原稿を書く
- 校正を行う
それぞれの工程はさらに細分化することもできますが、大きく分けるとこんな感じになるでしょう。
実際は、企画案を固める前に素材を見つけ、それを練り込む作業を行います。私の場合、こうしたスタートアップな段階ではアナログツールを多用します。その辺の足跡はFacebookページの写真アルバムにアップしていくので興味ある方はそちらをチェックしてみてください。
※ハイブリッド読書術(Facebookページ)
今回は、そういう企画案の素材出し&練り込みがある程度終わり、「よし、じゃあそろそろパソコンを使うか」となってからのツール群です。
ぼくのかんがえたさいきょうのふじん
どれも有名どころですが、簡単に紹介していきましょう。
Evernote
Evernote 5.0.6(無料)
カテゴリ: 仕事効率化
現在の価格: 無料(サイズ: 32.3 MB)
販売元: Evernote – Evernote
リリース日: 2010/12/30
これがなくては始まらない、といっても過言ではないツール。
集めた資料の保存から断片的なアイデアメモの収集、プロジェクトデータの管理など、ともかく「情報」の一元管理ツールです。
書籍企画を進める際は、専用のノートブックを準備し、そこに必要なデータを片っ端から突っ込んでいきます。
Tree
Tree 1.8.11(¥1,300)
カテゴリ: 仕事効率化, ビジネス
現在の価格: ¥1,300(サイズ: 2.3 MB)
販売元: Top of Tree – Kazuhiro Kawana
リリース日: 2011/07/21
新感覚のアウトライナー。
機能性で言えば「OmniOutlier」がピカイチですが、この「Tree」というアウトライナーも見逃せません。
基本的にアウトライナーは縦に伸ばしていくものですが、Treeは横にも伸びていきます。言ってみればそれだけなんですが、使ってみるとその感覚の違いに驚かされます。
基本的な機能は全て揃っているので、普通のアウトライナーとしても問題なく使えます。
このツールでより具体的な骨子を固めていきます。
Scrivener & Scapple
Scrivener 2.4(¥3,900)
カテゴリ: 仕事効率化, 教育
現在の価格: ¥3,900(サイズ: 34.7 MB)
販売元: Literature & Latte – Literature & Latte Ltd
リリース日: 2011/07/06
「Scrivenerへの散歩道」でお馴染みのScrivener。総合執筆環境ツール。
断片的な文章群をこのツールにおいて統合します。あれをこっちにやったり、これをそっちにやったり、というのが非常に簡単にできるツールです。
また、文章をクラウドで「持ち運ぶ」ためにも活躍します。その辺はiOSアプリ編で紹介しましょう。
Scappleはまだβ版のアプリですが、紙のような(つまり自由度が比較的高い)マッピングアプリです。このアプリでそれぞれの章の概要を「一枚の紙」にまとめ、Scrivenerに保存しておく、といった使い方をします。
※Literature & Latteからβ版がダウンロードできます。
Dropbox
@Dropbox を使えば、どこにいても、あなたのアイテムにアクセスができます。登録は無料です! http://db.tt/mOC5eV5
Scrivenerのプロジェクトファイルと、クラウド持ち出し用テキストファイルはDropboxフォルダに保存してあります。
また最終的な編集者さんとのファイルのやりとりにもDropboxは大活躍です。
CotEditor
最後の一つがテキストエディタ。シンプルで柔軟性のあるエディタです。
このBlogエントリーもCotEditorで書いていますし、メルマガ原稿も、書籍原稿もだいたいはCotEditorで書いています。で、そうして書いたものをScrivenerに持っていって編纂する、という流れです。
直接Scrivenerで書いてもよいのですが、気分的にCotEditorの方が書きやすいことが多いですね。たぶん、エディタの設定と画面の慣れの問題なのでしょう。
さいごに
執筆の中心部分の流れとしては、
- Evernoteに情報倉庫として使いならがら
- アナログツールでアイデアの発散を行い
- Treeでそれらを整理・分類・厳選し
- CotEditorでざっと文章を起こし
- その文章をScrivenerで全体を見据えながら構成する
という感じです。
こうしてみると結構いろいろなツールを使っていますね。これでも絞り込んではいるのですが・・・。
次回はこの流れをサポートするiOSアプリ編とまいりましょう。
4 thoughts on “新刊の執筆に使ったMacアプリの紹介 〜執筆編〜”