0-知的生産の技術

新刊の校正作業もやっぱりiPadで

新刊の執筆に使ったアプリ群の紹介です。

ソーシャル時代のハイブリッド読書術
ソーシャル時代のハイブリッド読書術 倉下 忠憲

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これまで:
新刊の執筆に使ったMacアプリの紹介 〜執筆編〜
新刊の執筆に使ったiOSアプリの紹介 〜執筆編〜
新刊の執筆に使ったMacアプリの紹介 〜原稿確認編〜

今回は原稿の校正作業です。PDFファイルのチェックですね。使用するのはiPad。

定番中の定番

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いままでいくつかのアプリを試して回りましたが、結局こいつに落ち着きます。

自分で作成したものや頂いたPDFをDropboxで保存。それをGoodReaderからダウンロードします。

で、それに赤入れ。直接書き込むか、コピーファイルを作成して書き込むかの選択ができますが、私はコピーファイルを作成しています。単純にファイルがリネームされるから、というだけです。

で、校正作業を終えたら再びDropboxにアップロード。アップしたフォルダが共有フォルダならば、それでファイルのやりとりは終了です。

簡潔極まりない形ですね。

この機能があればよい

エディタに比べればPDFビュアーはわりと何でもよい感じです。

やることと言えば、「原稿を読む」と「修正箇所に赤で指示を入れる」だけ。それほど複雑な作業でもありませんし、単純化したい工程もありません。ワンタッチで構成記号を入れられるような機能もあれば便利なんでしょうが、だいたい紙と赤ペンで事足りている作業なので、iPad+スタイラスペンを使っても問題ありません。

基本的には手書きで入れて、長い文章とか小難しい漢字はテキストで入れる、という使い分けが可能です。

IMG_0634

基本的にその他のPDFビュアーでも問題ないでしょうが、GoodReaderならば、フリーハンドでの赤入れとテキスト文字の入力が併用できます。

個人的にはこれで十分な感じですね。

今回得た校正の心得

と、あまりにも紹介するアプリがないので、校正の心掛けについても書いておきましょう。

個人的に執筆に関するプロセスの中で一番苦手意識が強いのがこの「校正」です。これまで6冊の本を書いているわけですが、どうしても慣れません。

「なぜだろうか?」とひとしきり自問してみたところ、一つの答えにたどり着きました。

ようは原稿を「読んでいる」のが問題なのです。

この辺を説明するのは難しいのですが、本棚に置いてある本を読むような感覚で自分の原稿をチェックするとあまりうまくいきません。そこに書かれていることは自分にとっての既知の情報ですし、文章もそれほど上手ではありません。だったら上手に書けよ、というツッコミが入るかもしれませんが、誰しも限界はあります。

で、そういうのを「読んで」いると、あぁ、こいつ文章へたくそだな〜、なんて思い浮かんできてしまうわけです。もちろんその罵倒を向けられているのは私自身なわけで、楽しいはずがありません。

つまり、「読書」する感覚で校正していたから、個人的に苦手な作業に分類されてしまっていた、ということでしょう。それに読書中は文脈の推測が無意識に働きますので、誤字脱字の発見割合が低下してしまいます。これも問題です。

それはパズルを解くように

で、発想の転換に至ったわけです。校正作業は「読書」ではなく「間違い探し」なのだ、と。

文章を推敲する段階で、森の奥に住む魔女のように意地の悪い人が読んでも誤解できない文章になっているか、という視点に立つことはよくあります。が、そういう視点でも行為としてはあくまで「読書」の延長線上です。で、「読書」だと先ほどの問題が立ち上がってきます。

そこで、校正という作業を「読書」と同じカテゴリーに入れずに、むしろ「間違い探し」に入れてしまおう、というわけです。

今ここでやっていることは単なる言葉の分類ですが、私が行ったのは認識上のラベルチェンジです。

校正作業をする時は、文章を読むような気持ちではなく、むしろパズルをするような気持ちで臨む、ということです。

そういう気持ちだと苦痛感は減り、むしろ楽しみの要素が増えたように思います。

段階に分ける、ということ

まだ確立は出来ていませんが、おそらく何回かの段階に分けて校正を行うのがよいのでしょう。

  • 荒読み
  • 誤字脱字探し
  • 整調

なんかが考えられそうです。

「荒読み」はざっと文章を読むこと。意味の通っていない文章や、つながりの悪い部分を探す。

「誤字脱字探し」はその名の通り、文字の間違いを発見する。

「整調」はリズムを整えること。読む、あるいは聴くが必要でしょう。

もう少し段階を分けることもできるかもしれませんし、適正な順番というものもあるでしょう。このあたりは実務を積み重ねて行くしかありません。

さいごに

こうしたことは、もしかしたら物書きやライターさんにとっては「当たり前」なのかもしれません。

しかし、私はライター修業をしたこともありませんし、誰かの横に座って「これが校正作業というものだよ」と教えてもらったこともありません。結局、試行錯誤を積み重ねて行くしかありません。

その点、とある方のメルマガで執筆の裏側を覗かせてもらっているのはとてもよい経験です。私も、私なりに後続者に役立つものを提供していきたいものです。

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